〈本文〉
かかるほどに、男(をのこ)ども六人、つらねて、庭にいで来たり。
一人の男、文挟(ふんばさ)みに文をはさみて、申す、「内匠寮(たくみづかさ)の工匠(たくみ)、あやべの内麻呂(うちまろ)申(まう)さく、玉の木を作り仕(つか)うまつりしこと、五穀(ごこく)を断ちて、千余日に力をつくしたること、すくなからず。しかるに、禄(ろく)いまだ賜(たま)はらず。これを賜ひて、わろき家子(けこ)に賜はせむ」といひて、ささげたり。たけとりの翁、この工匠らが申すことは何事ぞとかたぶきをり。皇子は、我にもあらぬ気色(けしき)にて、肝(きも)消えゐたまへり。
これを、かぐや姫聞きて、「この奉(たてまつ)る文を取れ」といひて、見れば、文に申しけるやう、

〈juppo〉iPhone5を使い続けて8年、今後も使うつもりでいたのですが、OSが10.3.4からアップデート出来なくなり、アプリがいろいろ使えなくなりました。Appleに見捨てられた機種なのですね。何という仕打ちでしょうか。仕方がないのでiPhone SEに乗り換えました。小さいのが欲しかったんです。手が小さいので。OSはいきなり14.3です。指紋認証です。そういうわけで、あれこれデータを引き継いだりパスワードを設定したりしているところです。その余波でPCのメールアカウントも設定し直す必要が生じたりして、雑事が増えるばかりです。
さて、今回は前回までと展開がガラッと変わりましたね。翁と歌のやり取りをして、感動的に締めたと思った矢先、あっさり悪事が露見しています。
六人の男どもというのはもちろん、皇子が偽物の玉の枝を作るために召集した鍛治工のメンバーです。また登場すると思ってなかったので適当に描いたことを今、告白します。
「五穀を断ちて」の五穀は米、麦、粟、黍(きび)、豆の、要するに「五穀米」の五穀です。それを経つというのが、食事にそれらを摂らずに我慢することで願をかけたという意味なのか、ただ食事の間も惜しんでという意味なのか、諸説あるようですが、ここでは後者を採用しました。
3年もかけて緻密なストーリーを捏造した人のしでかすミスとは思えないほど杜撰です。秘密保持に必要なのは何よりも口止め料なのに!
ケチなんでしょうね。
…秘密を知る者には消えてもらう、という手もあると思いますけどね。昔はお城の堀に渡す橋を作った人は出来た途端に命を狙われた…なんて話もありますよね。「肥後の石工」で読みました。
そんなことにならなくて良かったです。こんな企みのために命をかけさせられたらたまりません。
持参した文の内容が明かされないまま以下次号、ですが、内容はもうほとんど話されてしまっているので、続きが気になって夜も眠れないほどではないと思います。その後このエピソードがどう決着するのかという方が気になりますね。
その辺は、近日中に。