〈本文〉
二月(きさらぎ)つごもりごろに、風いたう吹きて、空いみじう黒きに、雪すこしうち散りたるほど、黒戸に主殿司(とのもづかさ)来て、「かうてさぶらふ。」と言へば、寄りたるに、「これ、公任(きんとう)の宰相(さいしょう)殿の。」とてあるを、見れば、懐紙(ふところがみ)に、
すこし春あるここちこそすれ
とあるは、げにけふのけしきにいとようあひたる、これが本(もと)はいかでかつくべからむと思ひわづらひぬ。「たれたれか。」と問へば、「それそれ。」と言ふ。

〈juppo〉こんな季節に風邪をひいてしまい、鼻水が止まりません。ここで紹介する作品は、せめて季節感のあるものを・・と思ったのですが、高校生の姪に「今古文何やってるの?」と聞いたらこれだ、ということだったので。
もっとも、二月といっても陰暦の二月なので、今の暦に直すと3月の末くらいです。春の話な訳です。「つごもり」は「月ごもり」という言葉から来ているんだそうで、「月末」という意味です。「黒戸」は清涼殿(帝のお住まいですね)の中の一部のこと。「公任」は人の名前で「宰相」は役職名です。公任という知識ある歌人で偉い人から、下の句だけ送られてきた清少納言が、どう上の句を読んで返すのか!?というのが、この作品の見どころになっているのです。その見どころとなる後編は、多分、近いうちに!



後半ありますよー。ずいぶん前にUPした記事なので、その後のブログ移行など経て文字化けしててすみません。こんど直しときます〜。